Partechとは
PartechはPacket Radio Technical Conferenceの略である。
その名の通り無線によるパケット通信(Packet Radio)を用いて様々な活動を
行っている者の年1回の技術的な発表の場である。
参加者はアマチュア無線家がほとんどだが、近年ではPacket Radioにこだわら
ず発表内容は広く、ネットワーク技術全体に及んでおりアマチュア無線家以外
の出席者も多くみられるようになった。
Partechは「全国パケッティアーズミーティング」という全国のパケット通信
通信愛好家の集まりが前身である。
第1回の全国パケッティアーズミーティングは88年8月にハムフェアの会場
で開催された。翌89年1月に静岡県浜松市でW0RLIをゲストに迎え第2回が
行われ、
翌年は奈良県天理市で行われたが、この時から技術発表の傾向が
強くなり、この年のハムフェア会場で第1回Partechが開催された。
年に2回の全国大会は参加者の負担になることから、翌91年、福島県土湯温泉
で行われた全国大会からPartechのみが開催されるようになった。
この時ゲストとしてビーデル・ガービー夫妻が招かれた。
92年にはMike Cheponis(K3MC)をゲストに迎え山口県の大島で開催された。
93年に千葉県幕張で行われたPartech'93ではPhil Karn(KA9Q)がゲストに迎えら
れた。
KA9Qはご存じのとおり我々が日頃稼働させているアマチュア無線を使ってTCP/IP
通信を行うソフト、KA9Qインターネットパッケージの開発者である。また、
TCP/IPに組み込まれたカーンのアルゴリズムを考え出した人である。
94年のPartech'94は鹿児島県指宿市でJohan Reinalda(WG7J)をゲストに迎えた。
WG7JはKA9Qインターネットパッケージの機能を拡張したjnosの開発者である。
その後、岐阜県、香川県小豆島の順で毎年開催されている。
97年11月にはGennyとNFK(北九州ネットワーカーズフォーラム)の共催で
北九州市門司区の「めかり山荘」においてPartech'97が開催された。
この時ゲストとしてDewayne Hendricksを招いた。
また、会場から対岸までの間でスペクトラム拡散方式を用いたデジタル通信の実験
が行われ、世界で始めてエリア間(6エリアと4エリア)通信に成功した。
98年は東京で、99年は仙台市で開催され、20世紀最後の開催地は関西で、ということ
になった。
最後にPartechはアメリカで行われているいかなる大会よりもテクニカルで
あり、アカデミックであることは間違いないと言えよう。